障害者夫婦のセックス、また障害者夫婦の性介助はどう行われればいいのか?

障害者のセックスというタイトルのビデオ

取材をしている間、何人もの人から、「このビデオ見た?」と聞かれた。それは、「愛したい愛されたい〜障害者のセックス」というタイトルのビデオで、アメリカのニューヨーク大学医学センター·リハビリー研究所が製作したものだ。さまざまな障害を持つカップルが出てきて、性について語る。セックスのときに人工肛門をどうするか。失禁の問題はどうするか。勃起できないときはどうするのか。それだけではない。実際にそのカップルが裸になり、性行為を行っている場面も映し出されている。ぼかしも入らない。

どうしてここまであからさまにするんだろう。そう思う半面、私は胸を打たれていた。ビデオのなかの男性が語る。「ぼくは、はっきり自分の気持ちを言う。ここを触ってほしいとか」パートナーの女性も答える。「私たちはお互いにどんなことが好きで何が嫌いか、上手に知らせ合う。私たちの知らせ合うテクニックは健常者夫婦よりはるかに上手よ」

こんなふうにお互いの要望をコミュニケーションできているカップルがどれだけいるだろうか。感じているふりをしたり、一方的な快楽を押しつけたり、セックスをしたいということさえ伝えられなかったり……。

障害者カップルの性の介助

ビデオのなかで別の女性はこう語る。「私は結婚していてもマスターべーションします。ダン(彼女のパートナー)もします。いい気持ちになれるし、自分のことをより理解できるようになるから」このほかに、重度の障害を持つ夫婦の服を脱がせ、ベッドに連れて行く介助者も登場する。約二十年前のビデオだが、いまも支持されているという理由がわかる気がした。ビデオのなかで語られる、性に対する姿勢が根本的に違うのだ。彼らは性と真正面から向き合い、そのうえで積極的に楽しんでいる。いままでは、障害者がセックスの相手を見つける大変さを綴ってきた。しかし、もしかするとカップルになってからのほうが、性の問題は大きくのしかかってくるのかもしれない。

障害者カップルの性の介助はどうしているのだろうか。介助者にはなかなか言い出せない人が多いと聞く。ビジネスとして行っている例は、ないわけではない。例えば、前で紹介した都内にある出張ホストクラブ「セフィロス」では、障害者夫婦の性介助も行っている。オーナーの吉良仁志さんはこう話す。「障害を持ったご夫婦からの依頼がきっかけで、サービスを始めました。障害者割引があり、通常の半額の一時間五千円で行っています。月に二、三件の依頼があります」

ただし、介助という理由だけではなくて、三人でのセックスを楽しみたいがために、ホストを依頼してくる夫婦もいるそうだ。どこからどこまでを割引の対象にすればよいのかを、迷っているのだという。